「・・・とまぁそういうわけで、ヒスイは一日ベリーダンスに貸し出し中だから」
「なんだ、それ」
「聞かないでよ」

クロトとシェイドの部屋でミレーナは事情を告げる。
返ってきたのは、ひどく呆れたような言葉。
無理はないのだが、乾いた笑いを浮かべてミレーナは流した。

「それより、凄いじゃん。すごろく場ゴールしてきたんだっ。
んー、これは売れば結構金になりそう・・・・」
「・・・・まぁな」
「ん?どうかした?」

それら全てはシェイドが取ってきた物なのだが、それは言わないでおく。

「・・・いや、それよりサフィはどうだ?」
「駄目。暑さに完全に参ってる。今は寝てるけど、なんか・・・苦悩した顔で寝てる」

隣の部屋を遮断している壁を見ればミレーナはため息を吐いた。
帰ってきたときは起きていたのだが、本当に死にそうな顔をしていたのだ。
なんだかゾンビとも言えそうな顔は、少し鳥肌が立つ。

「・・・どうする?」
「予定は変えない。サフィには悪いけど」
「仕方ない、か」

どうにもならないことにクロトは少し顔をしかめる。
それは皆同じことではあったが。
できることと言えば、イシスについた後でルーラで迎えに来ることだろうか。

「砂漠の夜は寒い。夜になれば調子戻すでしょ。
そしたらヒスイを見に行って、後はゆっくり寝ようよ。
で、明日はギルド長に会いに行ってイシスへの馬車に乗せてもらうつもり」
「・・・そうだな」

今は夕暮れ。
日が赤く沈み始めている。






それを窓から見ながら、三人はそれぞれ複雑な顔をした。












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