「―――で、何ですかこの御馳走の数々は」
「誕生日プレゼント。ミレーナちゃんとクロトくんとシェイドくんの」

部屋での雑談の後、もういいかな、とカリーヌが呟いたことから始まった。
何がー、とか聞く前に手を引っ張られて(ヒスイは足が痺れたらしいけど)連れて来られて。
私が思うにまだ昼前なんじゃないかなー、とか。じゃぁ何で外は暗かったんだろう。
もしかして実は夜だったりするんだろうか、とか思ってたら扉が開いて。
中には豪勢な料理。

それで、冒頭に戻って。
誕生日、何てすっかり忘れていた。
毎日が毎日相当スピーディーに流れていったけど、実際経ったのは六日。

つまり、今日は誕生日。
私たちが旅立つ予定だった日。

「お誕生日おめでとう!」

いやいやいやいや、カリーヌだけならともかく何でカンダタ盗賊団の皆様方までもおめでとう言ってくれるんですか。
フレンドリーだってことは知ってたけど。
ヒスイはプレゼントを用意していないと落ち込んでいたけど、今度でいい、と言っておいた。
昨日の宴のように、クロトは女たちに囲まれてた。
だけどヒスイは私に付いてきてる。酒を飲んだらいけないから、だとか。

とりあえず私はおもしろそうにこっちを見ている筋肉バカの所に行くことにした。

「何ドッキリイベント計画してんの。そして今何時」
「ちょうどシェイドとの誕生日と被ってたからいっそ清々しくやろうと。今は昼頃だな」

シェイドと私たちは誕生日が同じらしい。
偶然ってあるもんなんだなー、と関心。
・・・あれ?昼なのに外真っ暗じゃなかったっけ?

「さて、シェイドと戦ってみてどうだったよ。性格と、戦闘と」
「性格はやっぱりプライド高い。戦闘は性格が表れてる。突然のことに対処できない。以上」
「使えると思うか?」
「私たちの旅でってこと?どうだろ・・・素早さは絶対的にクロトの方が速いし」

何で?と聞くとそれには答えずにカンダタは杯に注がれていた酒を飲み干した。
そして口を開くと、誕生日プレゼントは何がいいか。と聞いてきた。

「・・・プレゼントは宝石とか金とか金とか宝石がいいなー。ってか質問に答えようよ」
「ミレーナ、どれか一つに絞ったらどうじゃ」

ヒスイ、そういう問題でもないと思う。
ボケなのかツッコミなのかよくわからない一言に一応心の中でつっこんでおく。
後ろでカリーヌが騒いでいるのが聞こえた。

「誕生日プレゼントならもう用意済みだぜ?」
「へぇ?って聞いた意味ないじゃん」
「おい、シェイド!ちょっと来い!」

・・・何だかちょっと嫌な予感。
大人しく来たシェイドは何を言われるかわかっているようで。
いや、多分誰でもこうくればわかるだろうけど。

「コイツを旅に連れてけ。どっかで役に立つと思うぞ」
「・・・マジですか」
「新しい仲間か!よろしく頼むぞ!」








ヒスイ、その機転の速さは尊敬する。












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